1歳7ヶ月でまだストライダーに乗れなかったわが子に、ストライダーST-Rというカーボンフレームのキックバイクを買い与えました。ストライダーカップにわが子を参加させるためです。
その後わが子は期待通り、ストライダーに乗る能力が驚異的に上達し、とても速く走れるようになりました。
しかしそのストライダーST-Rを駆って、わが子がレースで活躍することはなさそうです。わが子にストライダーST-Rを買い与えた気持ちと、レース出場を諦めた経緯を紹介します。
目次
ストライダーST-Rが再版される
わが子が1歳7ヶ月の時、ストライダーST-Rが再版されました。全世界で限定1,000台だったようです。
ストライダーST-Rとは、フルカーボンのストライダーです。フレームを始めとして、カーボン化が可能なパーツはすべてカーボンです。
私はわが子のためにストライダーPROを購入しており、それをレース用にカスタマイズする予定でした。
しかしST-Rの存在を知った時、考えが変わりました。10万円かけてストライダーPROをカスタマイズするよりも、同じ10万円使うならば、ST-Rを買った方がはるかに戦闘能力の高いマシンが手に入るのです。
当時私の通勤用自転車はボロボロで、新しい自転車を買う予定でした。しかしそれをパーツ交換で安くレストアし、お金を浮かせてST-Rを購入してしまいました。
ストライダーST-Rのすごさは、徹底した軽量化をされていることです。
PROモデルをカスタマイズしてチューブタイヤを付けた場合、最高の物を使っても重量が増えます。ストライダーのノーマルタイヤはプラスチックのホイールにEVRのタイヤですから、これ以上軽量化できないくらい軽いです。いくら高価な物を選んでも、チューブ入りゴムタイヤの方が格段に重くなります。最高のタイヤホイールに交換したストライダーPROでも、ノーマルよりは圧倒的に重いのです。
しかしストライダーST-Rは、チューブ入りゴムタイヤにもかかわらず、重量はノーマルのPROと同じです。これはすごいことなのです。
普通はストライダーをカスタムすると、重量は大幅に増えます。特にタイヤホイールは、PROのタイヤとST-Rのタイヤでは、ST-Rのほうがはるかに重いのです。
ST-Rはいくらカーボンホイールとはいえ、しっかりしたホイールになっています。プラスチックのPRO用タイヤより重くなるのです。タイヤもPROは軽いEVR製ですが、ST-Rは重いチューブやゴムタイヤを使っているため重量増になります。
タイヤホイールだけでもかなりの重量増にもなっているにもかかわらず、トータルではST-RとPROとは同等の重さなのです。それほどフレームなどの各パーツは、軽いものが使われているのです。
なぜわざわざ重いタイヤホイールに交換するのか、疑問に思う人もいるでしょう。これは乗ってみればよくわかります。転がりがまったく違うのです。
ノーマルのタイヤは、EVRで柔らかいです。乗るとへこんで接地面が増えます。これが転がり係数を大きく悪化させるのです。しかもノーマルタイヤには、凹凸が付けられています。
そのためストライダーPROでは、助走を付けて惰性で走っていても、すぐに止まってしまいます。
しかしST-Rは一度スピードが付くとなかなか止まらないのです。ノーマルタイヤとST-Rのタイヤはチューブ入りゴムタイヤで、乗ってみればわかりますがまったくの別物です。
ST-Rスピードを付けて足を上げて惰性で走ると、いつまでも止まらない感覚にびっくりしました。
そんなすごいタイヤホイールが付いて、重量がノーマルのPROと同等ですから、レースに出るには大変なアドバンテージになるのです。
ストライダーPROをカスタマイズしてストライダーST-Rに戦闘力で上回るのは、なかなか大変なことです。
フレームは美しいフォルムのカーボンです。
ハンドルもカーボンです。
ホイールもカーボンです
フロントフォークもカーボンです。
シートポストもカーボンです
ハンドルステムも徹底的に軽量化されている物が使われています。
シートはST-R専用の物です。
とても格好いいフォルムなので、使わなくなったら玄関に棚を付けて飾る予定です。
いかがでしょうか? ST-Rはとても格好いいと思いませんか?
ストライダーST-R購入について
まだストライダーに乗れない子供のために、ストライダーST-Rを購入したのですが、これは一般的に考えたらめちゃくちゃな行為ですよね。購入当時のわが子はまだ生後1歳7ヶ月でした。1歳5ヶ月の時に買ったストライダーですら乗れていません。
ストライダーPROがあるうえに、それに乗れてもいないのに、追加で10万円の新しいストライダーを買う。こんな判断をする親は、まずいないでしょう。
購入したい気持ちを妻に伝えたところ、あっさりと「買ってあげよう」と言いました。意見の食い違いが結婚後もまったくない夫婦ですが、こんなところでも妻が私の考えを理解してくれたのはうれしいことでした。
この時に私たち夫婦が思ったのは、わが子はきっと、すぐに簡単にストライダーを乗りこなすようになる。そして誰よりも速くなる。ということでした。
その根拠は、ハイハイがめちゃくちゃ速かったからです。そして1歳2ヶ月で、自分の足で家の中を走り回っていましたが、それもものすごく速かったです。わが子はとにかく何をするのも、かなり速かったのです。
その後わが子は、親の期待通り1歳8ヶ月でストライダーを完璧に乗りこなし、1歳10ヶ月には、2歳の子(2歳11ヶ月の子も含む)にはストライダーではまず負けることのないくらいの、すさまじいスピードで走り回るようになりました。
ストライダーチャレンジカップよちよちの部にエントリーしたのですが、風邪を引いてあえなくDNS。(時々走る気力のない時があり、その時に当たらなければ)絶対に他の子に負けるなどとは思っていなかったため、ちょっと残念でした。
2歳になったら本格的にストライダーのレースに参加していこうと考えていたのですが、3つの問題がありました。
- 新型コロナウィルスが蔓延し、遠くへの遠征を、私の勤めている会社から止められている
- 新型コロナウィルスのため、ストライダーレースが軒並み中止
- 近くにストライダーチームがないので、人と競う練習ができない
このような状況から、どうやらわが子のストライダーレースの挑戦がかなり厳しい状況だったのです。
わが子、ストライダーの乗りまわしはものすごく上手ですし、走るスピードもめちゃくちゃ速いです。
まだ2歳クラスならば、そこまで相手と厳しく競り合うことはありません。スタートダッシュでトップに立って、そのまま逃げ切ることも可能です。2歳クラスでレースにわが子を出場させて勝たせることが、私たち夫婦の目標であり、希望でした。
チーム練習ができないので、3歳クラス以上のレースで、勝てるようになることはないでしょう。日頃から大勢の子と、練習用のコースで同時にスタートして競り勝つ練習をしていない子は、本番の団子状態での競い合いが、絶対にできないのです。
3歳以上のクラスでは、ほんのわずかの隙を見せたら追い抜かれますし、相手のわずかの隙を見つけて追い抜くのです。これは集団でレースを想定した練習を繰り返ししていないと、絶対にできることではありません。
3歳になったら勝てません。わが子が本気で勝ちにいくためには、2歳クラスのレースに出場するしかなかったのです。
ストライダーカップ参戦を諦める
結局わが子にストライダーカップ参戦をさせることは諦めました。新型コロナウィルスの蔓延でレースに出られませんし、遠征しての練習も難しかったのです。
レース参戦を諦めても落胆はしていません。わが子はストライダー一辺倒ではなく、様々なことをさせてあげることが大切だと思っているからです。
ストライダーレースに未練がないわけではないですが、ストライダーに乗らせる以外にもやらせることはたくさんあります。
わが子は1歳9ヶ月からベビースイミングをさせています。2歳1ヶ月では頭からプールに飛び込むことができるようになり、2歳9ヶ月では棒状の浮き輪を脇の下に挟むと、25mプールをバタ足だけで泳ぎ切ることもできます。
体操も空手もやらせますし、ピアノも習わせます。サッカーもやらせたいです。
そうなるとストライダーST-Rを買ったことは、無駄になったと思う人がいるかもしれませんね。
しかし私はST-Rを買ったことは、無駄だとまったく思っていません。なんとST-Rは、室内専用になっているのです。
わが子、室内で毎日ST-Rを乗り回しています。ST-Rを室内で使うのは、大変なメリットがあります。
ST-Rは、金属が露出している部分がほとんどないのです。
金属が露出している部分がないと、室内で磨き上げられたキッチンやテレビボードにぶつけても、傷が付きません。思う存分乗り回させることができるのです。
毎日LDKにST-Rが置かれているので、わが子は気が向くとST-Rを駆って室内を走り回ります。このことで、わが子は大変な能力を手に入れました。
わが子はどんな場所を走っても、どんなにスピードを上げても、1歳10ヶ月になってからはST-Rや体を壁やテレビボードにぶつけないのです。
前もしっかり見ずに、適当に乗り回しているのですが、絶対にST-Rを物に接触させることがありません。大変な空間認識能力を身に付けてくれたのです。
このことは幼児の空間認識能力(空間把握力)を向上させる方法を発見 バランスバイクを室内で乗らせる効果という記事を書いています。興味のある方は是非ご覧ください。
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ストライダーレースに参加させてあげられなかったわが子に、掛けてあげたい言葉があります。
「ストライダーチームが近くになくて、チーム練習させられないでごめんね。とっても速いのはパパもママもわかってるよ。」
きっとわが子には、これからたくさんのスポーツとの出会いがあるでしょう。わが子が1歳からストライダーに乗ったことが、生きる時が必ず来ます。
それを信じているので、ストライダーST-Rを買ったことはほんの少しも後悔していません。
レースを諦め自転車を購入
ストライダーレースを諦めたので、自転車を購入することにしました。
自転車はへんしんバイク2を選びました。
2歳6ヶ月で購入して1ヶ月後の2歳7ヶ月に、延べ練習時間10時間ほどで、わが子は自転車に乗れるようになりました。
自転車に乗ることはストライダーで走るよりも楽しいでしょう。もうわが子がストライダーを乗り回すことは減ってしまうでしょうね。これで完全にわが子のストライダーレースで、勝てることはなくなったでしょう。
でも2歳7ヶ月で自転車に乗れたことは、すごいことだと思います。早い時期から自転車に乗れたことは、新たな運動との出会いであり、新しい刺激を受けてくれたでしょう。それはそれで大満足しています。
自電車に乗れたことで、わが子は大きな成長をしてくれました。
そのことが子供が自転車に乗れるのはいつから? 2歳7ヶ月で乗れたわが子に行ったことを紹介しますという記事の中に書いてあります。もし興味がありましたら、是非ご覧ください。
室内でしか使っていないので、傷もないピカピカのストライダーST-Rですが、まったく乗らなくなったら、玄関に棚を付けて飾ることも考えています。わが子の思い出が詰まったST-Rを、売却する気にはなれないのです。
ストライダーカップ世界大会優勝を夢見て、1歳7ケ月で購入したST-Rですが、一度もレースに使うことなく終わりました。これも運命です。