転倒耐性を付けること。これは子育てでとても大切なことです。倒れてもしっかりと体を守れる子に育てるのです。
わが子はそのことを考えて子育てしたため、かなり優れた転倒対応力が付いています。
転倒耐性が付くと、様々なことに怖がらずにチャレンジするようになり、バランス感覚も磨かれます。
バランス感覚が優れていると、様々なスポーツでも有利になります。わが子の父親である私も、バランス感覚は普通よりは優れていると思っています。
自分の子供の運動神経をあげたいと思っている方は、転倒耐性とバランス感覚を上げる子育てをしてみましょう。
目次
始めに
この記事は私がわが子の転倒耐性を上げることでバランス感覚を鍛えようと考えて、実践したこととその効果を紹介するものです。
私はかなりの効果があったと実感していますが、多くのお子さんに当てはまるかどうかは、よくわかりません。
育児科学の専門家ではない私が独自に考えたことばかりだということを、考慮して読んでいただけたら幸いです。
バランス感覚が優れていると有利
バランス感覚が優れていると、多くのスポーツに有利です。
バランス感覚の優れた子に育てるには、どうすればいいのでしょうか。少々めちゃくちゃであまり一般的ではない方法かもしれませんが、わが子にはちょっと特殊な方法でバランス感覚を徹底的に鍛えました。
その結果、わが子はかなりバランス感覚がいい子供に育ちました。ストライダーに乗って、低速で両足を上げて、バランスを取りながらずっと進むことができるようになりました。1歳の子供としては結構すごいので、ぜひ動画をご覧ください。
わが子は自転車に乗れるような子供でないとできないことを、1歳でできるようになったのです。このようなバランス感覚のいい子になったのは、育て方が大きかったと感じています。
わが子の場合はハイハイ期から、転倒を恐れない子供にしたいと思って育ててきたことが生きたのですが、ハイハイ期からでなくても、「子供は育て方でバランス感覚が良くなる」と気づいた時から、行動を起こしてみることをおすすめします。
優れたバランス感覚を身に付けさせるメリット
バランス感覚の優れた子に育てると、以下のような利点があります。
バランス能力
バランス能力とは、静止姿勢または動的動作中の姿勢を任意の状態に保つ、また不安定な姿勢から速やかに回復させる能力を意味します。スポーツ選手においては適切な姿勢を保つ能力は競技力における重要なボディコントロール能力のひとつとなりますし、高齢者においてはしっかりと「立ち」「歩く」生活機能上の重要な一要素になります。転倒の予防という点においても重要です。
姿勢の保持は、視覚情報・体性感覚情報(筋・腱・関節からの情報、足裏等の圧感覚情報など)・前庭系の情報(内耳の三半器官)などを基に脳が中枢処理を行ない、出された司令を骨格筋が実行することでなされます。これらの総合的な機能がバランス能力に関わっています。
出典:e-ヘルスネット>バランス運動の効果と実際
このようにバランス感覚が優れていると、以上のようにメリットはとても多いのです。
転倒耐性を上げる
ここで言っている転倒耐性とは、転倒することを恐れないようになることだと考えてください。
バランス感覚を向上させるためには転倒耐性が必要なのですが、それはなぜなのか説明します。
幼児は意識してバランス感覚を鍛える運動をすることがありません。今やりたいことをやるだけで、「今これをやれば少しずつバランス感覚が磨かれるはずだ」と考えて努力することはまずありません。
そのため子供本人が楽しいと思う遊びの中に、バランス感覚を向上させる要素を取り入れなければなりません。
バランス感覚は、倒れそうなときに対応することで鍛えられます。しかし多くの場合、1~2歳児は倒れそうな遊びを怖がってしないのです。悪路を走ることや、平均台を渡るようなことは、普通は転倒が怖くてチャレンジしないのです。
しかし転倒耐性を上げると、それらの遊びを自ら楽しんで行うようになります。その結果、バランス感覚が磨かれるのです。
子供の運動能力を上げるのに最も大きな要素は、転倒耐性を上げることなのです。転んでも平気な子に育てることです。
それを意識して育てるのと、何も考えずに育てるのでは、3歳になった時に大きな差が付きます。
0歳から転倒耐性を高めるために、何をすればいいのかわが子を育てた実績から紹介していきます。
お座りからの転倒
転倒を怖がらない子にするには、転倒に慣れさせることも必要です。転倒に慣れさせるには、生後半年くらいから育て方を考える必要があります。
お座りを覚えたばかりは、頻繁に転がることがあります。布団の上で転がらせると、柔らかいので怪我をしません。
その状態で何度も倒れることをしているうちに、自然と体をひねって後頭部や側頭部から倒れない基本が身に付きます。そして手を突くことも覚えられます。
お座りができるようになったら、お座りから倒れることをたくさん経験させましょう。
ハイハイをさせる
ハイハイは様々な効果があるとされていますが、手をしっかり突くことも覚えることができます。
ゆっくりとハイハイしている場合は、手を突くことの重要さはあまり子供も感じていないかもしれません。しかし高速ハイハイを続けて行う子供は、腕が疲れて手が動かず、転倒することがあります。
このような場合に、子供は手をしっかり突かないと、顔を床にぶつけることを覚えてくれるのです。
パラシュート反射といって、人間は前に倒れそうになった時、自然に手を前に出して体を守ることができます。しかし転倒した時にしっかりと手を前に出せる幼児は、実はとても少ないのです。
高速ハイハイをたくさんさせることは、転倒時に体を守る基本行動の、手を突くことをしっかりと覚えてくれます。
つかまり立ちやたっちからの転倒
お座りをし始めた時にたくさん転がっている子は、転倒に慣れています。ハイハイのやりすぎで手が疲れた状態で高速ハイハイすると、手が動かずに顔から床に突っ込みます。
こんな経験をした子は、転倒時に手を突くことが大切だと本能的に理解できています。そして転倒時にしっかり手を付ける自信があるため、立ち上がってからの転倒も恐れない傾向があります。
つかまり立ちするようになっても、お尻を突いて座り込んだり、手を前について倒れ込んだりして、床に戻れます。
これができるようになると、何にもつかまらずに床から立ち上がる、たっちができるようになります。
たっちし始めは、歩くこともできない赤ちゃんですからすぐに転倒するでしょう。それでも転倒に慣れていると、怖がらずに何度も何度も立ち上がっては転倒を繰り返します。
バランス感覚を鍛える
ここまでの育て方で、転倒耐性を上げることができるようになりました。
その後はバランス感覚を向上させるよう、遊ばせていきます。
歩き始めの転倒
転んでも手を突いて体を守れるから平気だと考え、歩き初めには転倒を恐れずにガンガン歩きます。わが子は歩き始めたばかりの頃は、1日に100回は転倒していました。
簡単だと考えると途端に集中力を切らして手を抜くわが子は、手を突くのに失敗して時々ジョイントマットに顔面を打ち付けることもありました。それでも転倒に慣れているので、平気な顔をしてすぐに立ち上がり、また歩いて転倒するという行動を取っていました。
ふらつきながらも転ばないように工夫していくうちに、バランス感覚が磨かれていくのです。
走りやすい環境を与える
転倒が怖くないと、歩き始めてからいつもMAXスピードを出します。わが子は1歳0ヶ月ですでに走ろうとする意識を持っていて、1歳1ヶ月では走り出していました。
それができたのもLDKからテーブルを取り去り、広い空間を作ったことと、ジョイントマットを敷き詰めて、転倒しても痛くないようにしたからです。
もちろんしっかり歩けるだけの能力はまだなかったので、何度も繰り返し転倒していました。1歳前後にはふらつきながら走り回るので、キッチンやいすなどに顔をぶつけて、いつも顔を腫らしていました。
転倒しながらも走ろうとすることで、バランスを取ろうという意識が強まります。
玄関スロープを歩かせる
1歳1ヶ月になったら、あまり角度の強くない斜面を歩かせました。
わが家では玄関スロープを靴を履いて歩かせました。これはかなり危険です。下りは加速度も付きますし、転倒して手を突いても、頭が重いので足が持ち上がり、100%顔を地面に打ち付けます。それでもわが子は斜面を歩くのが大好きだったので、額から出血しても歩き続けました。
決しておすすめできることではありませんが、このような無茶苦茶なやり方により、わが子の転倒耐性は磨かれていきました。
急な斜面を歩かせる
1歳2ヶ月を過ぎたら、かなり急な斜面を歩かせました。安全的にも能力控除の面でも、足場の悪い芝生の斜面がいいです。
そこを走って下ることは、大変な能力向上につながります。
一歩一歩足を踏み出すたびに、凹みに足を取られてバランスを崩します。その都度バランスを取りなおして走るのです。
これは大人でもできる人はほとんどいないと思います。
わが子が1歳3ヶ月で坂道を駆け降りている様子です。
この時はデコボコの斜面をほとんど見ずに走っています。
このようにバランスを崩しやすい場所を走り下りることで、バランス感覚の向上と転倒耐性が究極に磨かれていきます。
動画もありますので、是非ご覧ください。
d-bike miniに乗らせる
ここまでにたくさんの転倒を経験していると、立った状態でバランスを崩して真横に倒れても、体をひねって両手を突くことができるようになっています。
どんな転び方をしても平気な気持ちがあるので、3輪のd-bike miniに乗って転倒しても平気でした。
d-bike miniのようなバイクに乗って転倒すると、そのまま真横に倒れることが多いです。
しかしわが子の場合はそのまま真横に倒れません。バイクに乗って転倒しても、体をひねって床に両手を突いて顔を守れます。
バイクに乗っても最も怪我をしない転倒方法ができるので、恐怖感がありません。
すぐにd-bike miniを乗り回すことができるようになりました。
ストライダーに乗らせる
ストライダーに乗らせたいと考えている方は、家の中でジョイントマットの上で、d-bike miniに乗らせることをおすすめします。
ジョイントマットは必須です。この上でうまく転ぶと痛くないので、わが子も繰り返し乗り回すことにチャレンジしてくれました。
小さなd-bike miniで転倒して対応することができるようになれば、室外でストライダーに乗っても大丈夫です。
転倒を怖がらずに挑戦することで、すぐにストライダーに乗れるようになります。
ストライダーはシートポストの下に足が入ると、車体が急停止して転倒します。これはストライダーレースに慣れている子供でも、時々見られることです。また砂地で曲がろうとしてタイヤがグリップせずに転倒するすることもありました。
ストライダーはスピードが出ます。かなりのスピードで転倒しているうちに、転倒耐性が付いていきます。
ストライダーに乗っているうちに、普通の乗り方では飽き足らず、両足を上げて乗るようになります。
冒頭で紹介したとおり、わが子は1歳9ヶ月で、ストライダーで究極のバランス感覚を見せてくれました。
転倒に対する対応力が高いメリット
飛び降りができる
高いところからの飛び降りも、転倒対応力が高いと怖がらないのでできるようになります。
高いところから飛び降りると、着地した後に前につんのめって倒れます。この時に手を突かないと怪我をします。手をしっかり突くことができない子は、飛び降りもなかなかできないことがあります。
ジャンプやケンケンへの挑戦
両足での連続ジャンプやケンケンへの挑戦も、転倒と隣り合わせです。転倒が怖いとなかなか挑戦する気持ちになれないことがあります。わが子は転びながらも、2歳のうちにケンケンやスキップに自らトライしていました。
悪路を走ることができる
路面がデコボコの所でも、転倒を怖がらないので平気で走り回ります。このような遊びをすると、バランス感覚が磨かれます。
幼いころに悪路を走った経験は、サッカーなどのボディバランスが必要なスポーツをする時に、生きるのではないかと期待しています。
自転車に乗れる
転倒を恐れないので、自転車にも果敢に挑戦し、2歳7ヶ月で補助輪なし自転車を乗り回すようになりました。
転倒を恐れないことが、バランス感覚を磨き、どんなことでも挑戦する気持ちを生み出します。
2歳で自転車に乗れる子は時々いるようです。しかし狭いスペースで足を着かずにUターンすることは、2歳児ではなかなかできないことだと思います。わが子は大人並みの器用さで、自転車を操って走ることができます。
転倒耐性とバランス感覚を鍛える理由
わが子には0歳から、能力アップを考えて様々なことをしてきました。その結果が、自転車に乗れるなどの効果として現れています。
この記事を読まれた方の中には、「どうしてそこまでしてできることを増やしたいのか?」「そこまでしなくても子供は育つ」などと考えることもあると思います。そしてそのように思うことは当然だと思います。
世の中には「自分の子供に少しでも早く、できることを増やしたい」という子供の成長マニアのような人もいるようです。私はそのような気持ちは、正直に言いますがまったくありません。自分の子供の成長にために必要だと思ったことを、子供にやらせているだけです。そしてほとんどの場合が、子供の意思を尊重しています。子供がやりたくないのに無理やりやらせることはありません。私にとって子供成長は、他人との比較でも競争でもないのです。
わが子は2歳9ヶ月で、フラフープを5回もきれいに自分の腰で回しました。これはすごいと思いました。「2歳児がフラフープをできるようになったら、YOUTUBEに投稿すれば大人気になるかも?」なんて考えを持ちました。しかしわが子は、親と同じようにフラフープができないのが嫌のようで、「できないからやらない」と言って、練習を拒否しました。正直30分くらい練習させれば、あまり例のない、フラフープのできる2歳児になったと思います。しかし本人がやりたくないと言っているので、それ以上無理にやらせることはありませんでした。本人がやりたくないことを無理にさせたことは、今までに一度もありません。
ただし多くの遊びをする機会を与えて、子供が早い時期にできることが増えるのは、成長にとても大きなメリットがあると思っています。
私は子供が何かができるようになることは、とても貴重な成長体験だと思っています。やりたいことができた時のうれしさや興奮は、子供を大きく成長させます。嬉しさにより脳に気持ちのいい刺激が入り、知能の成長も促進されると思っているからです。
わが子が2歳7ヶ月で自転車に乗れた時、大変興奮して喋り続けました。そしてその瞬間から、わが子の言葉の成長が一気に進んだことを目の当たりにしました。
多くのことを体験させることは、心身ともに成長を促してくれるのです。
子供の成長は、早い時期にできなくても、いつかできるようになるのでしょう。しかし少しでも早い時期にできることが増えることは、能力向上につながると、私は信じています。これはあくまで私の考えです。「運動神経は遺伝だ!」と考えている人にとっては、私の考えは間違った考えということになりますが。
私も早い時期にできることを増やすことが、能力向上に繋がると100%信じているわけではありません。
それでもわが子にできる限りたくさんのことを経験させ、その中で興味を持ったことができるようになっていくことは、悪いことではありません。私たち夫婦がわが子に、何かを無理やりやらせることは(少なくとも3歳までは)絶対にありませんから、わが子はストレスを感じることは皆無です。つまりたくさんのことを経験させることで、子供の成長にデメリットはありません。
デメリットはないのに、もしかしたら幼児期にたくさんのことをさせることが、能力アップにつながるかもしれません。子供のために、できる限りのことをしてあげれば、「運動神経は育て方で向上する」という説が正しい場合、メリットを受けることができるのです。
そのような理由があり、私はわが子に転倒対応能力を鍛え、バランス感覚を向上させようと考えたのです。
2歳のわが子は、転倒耐性とバランス感覚は、おそらく誰にも負けないくらい伸びています。これは育て方によるものか、それとも遺伝なのか、どちらなのでしょうか? 少なくとも私たち夫婦がここまで頑張って育てなければ、この時点でのわが子の能力は、今ほど伸びていなかったと思っています
転倒を恐れないことは、運動能力の向上に大きくかかわってきます。怖がらないから何でもチャレンジできるのです。
怖がらないことが功を奏して、わが子は2歳1ヶ月で、頭から水の中に飛び込めるようになりました。できることが増えるたびに、新たな刺激を受けて成長が促進される気がしています。
怖がらない性格になると、幼児期には何でもできるスーパーキッズになることも可能かもしれません。
0歳から考えて育児することは、とても大切だと実感しています。