1歳7ヶ月のわが子が究極の危険回避能力を持っていることがわかりました。
これは備わっているととても役に立つ能力です。
少し特殊なわが子の能力に気付いた様子と、どうすればその能力を身に付けられるのか考えたことを紹介します。
目次
滑り台を走り降りる
わが子が家庭用の滑り台を走って降りるようになりました。
滑り台を歩いて降りるのは1歳4ヶ月の時にすでにやっていました。
今回はそれよりもさらにパワーアップした走り降りをするようになったのです。
わが家の家庭用滑り台は、滑り台の取り付け位置によって角度を2段階に変えられます。1歳4ヶ月の時に立って降りていた滑り台は、緩斜面に設定した時です。
今回は急斜面にした滑り台を走り降りました。
急斜面設定の滑り台を降りると、スピードが出すぎて降り切った後に転倒していました。
降りている最中は転びそうなので怖いうえに、終わった後に必ずひどい転倒をするのです。
これを1歳で怖がらずにやろうとする感覚は、かなり普通の子と違っていると思います。
わが子は転倒を恐れませんので、この遊びを少しも怖がらずに10回以上繰り返していました。転倒してもケラケラと楽しそうに笑っているのです。危機感など皆無のようでした。
妻はわが子を止めようとしませんでした。
妻は父親である私が危険なことばかりしているのをいつも見ています。そして危険なことをしても怪我をしません。それを見慣れているので、感覚が普通の人と違うのだと思います。
わが子も父親と同じように、たとえ転倒しても怪我をしない能力があると信じる気持ちもあるのでしょう。
そしてそれを証明することがすぐに起きました。
滑り台を歩いて登っていたわが子です。
しかし左足を滑らせました。
そして下に転落しました。
これはさすがに大事故だと思って駆け寄ったのですが、まったくの無傷でした。私にもどうして無傷だったのかよくわかりません。頭からひどい転落をして、体を守れたことがすごいです。
そしてわが子はひどい転落したのにまったく懲りることはなく、その後も登り降りを繰り返しました。
この日はわが子が転倒することが、まったく怖くないのだと改めて感じました。転倒をあまり怖がっていないのはわかっていましたが、予想以上でした。
追記
この様子はYouTubeチャンネルに動画を上げてあります。ぜひご覧ください。
いかがでしょうか? なかなかの無茶ぶりではないでしょうか。
転倒転落しても怪我をしない人間がいる
これからのことは少々理解しにくい内容になるかもしれないことを、あらかじめお断りしておきます。
転落するなどの危険な事態に陥ると、ほとんどの人は瞬間的に「どうすればいい?」と考える前に、「危ない、怖い」がすべてになってしまうのだと思います。
しかし世の中にはどれほど危険な状況になっても、常に最善の方法を見つけ出せる人間がいます。滑り台から転落して怪我をしなかったわが子は、瞬間的に最も怪我をしないような手の突き方を考えることができて、そしてそれが実践できたのだと思います。
わが子は倒れ込む時に物を持っていることや床の状態など瞬間的に把握し、その状況に合わせた対応方法を考えます。そして考えた通りに体を動かせているのです。転倒に驚いて頭が真っ白になったり、体が固まって動かなくなったりすることがないようです。
この能力はこれから先にいろいろな場面で生きるのです。バイクレースでコースや他のバイクの位置を瞬間的に判断して、最適なコーナリングをすることや、バスケットボールやサッカーで相手の動きに対応してプレイする時などに生かせそうです。
幼児期から瞬間的な判断ができて、思った通りに体を動かす能力を高めておくことは、絶対に多くのスポーツで生きると思うのです。
しかし転倒時に「こうすれば危険を回避できる」と考えられて、さらに思った通りの動きができることはとても難しいのです。
人が転倒する時に恐怖を感じると以下の状態になり、最適な対応ができなくなります。
- 恐怖や驚きで頭がパニックになって「どうすればいいのか」などは考えられなくなる。
- たとえ対応方法を考えられたとしても、恐怖で体に力が入って思った通りの動きができない。
このような状態にならないためには、「自分はいかなる場合でも怪我を回避する最適のことを考えられる」という自信が必要です。
- 転倒しても瞬間的に怪我を回避する最適の対応方法を考えることができる自信がある
- 対応方法が間違っていない自信があるため転倒してもパニックにならない。
- パニックにならないから体も固くならずに自由に動き的確な対応ができる。
- 転倒時に的確な対応ができるので怪我をしない。
- 転倒や転落をしても怪我をしないので、自信が付いて次の転倒時にさらに余裕を持つようになる。
このようになるととても大胆で、怖いものなしに見えるような行動するようになります。
転倒を恐れない子供の作り方
転倒をしても怪我をしない子供を育てることはできないかもしれないと考えたこともありました。
私は転倒時に怪我をしないように上手に転ぶことができる能力を持つことは、遺伝だと思っていたこともあります。
しかし今ではうまく育てれば、上手に転ぶことができる子供を作ることができるのではないかと思うようになりました。
幼児期から転倒を恐れず転んでいたら、少しずつ余裕ができて対処方法を考えるようになります。そうなると毎回転倒するたびに、どうすればいいのか考えるのが当たり前になっていきます。そしてそれが能力として身に着くのです。
とび職の人たちは、家を建てる時に高い所に登って仕事をします。その人たちは万が一転落した時も、怪我を最小限に抑えられるように体を動かすそうです。高い所で足を踏み外してもただ落ちるのではなく、そばにある物をつかんで落下速度を落とすなどのことができるようです。
私はその感覚はよくわかります。私も子供のころからよく高い所で足を踏み外し、落下途中で物をつかんで転落スピードを落として怪我を防いだことがあったからです。
とび職の人も私も高い所に登ることが多いことで、高所での作業に慣れたのです。
慣れれば危険が迫った時も余裕で対応できるようになると考えます。つまり子供もいつも高い所に登らせることで、高所にも慣れるでしょうし転落転倒の経験も増えます。このことで危険に対する慣れが出てきます。
慣れてしまえばとっさの時に体を守る動きができます。それを繰り返していると、危険が起きた時に体を守る能力がさらに鍛えられていくのです。
わが子をこのように育てたことで、怪我をする可能性を大きく減らすことができています。
しかし最近のわが子を見ていると、いつも怖くてたまらないことも事実です。
わが子は危険回避の揚力が高いことは自分でも理解していて、「危ない目に遭っても回避できるから大丈夫」と安易に考えているように思えます。
「足元など見ないで歩いても問題ない。もし何かを踏んで転びそうになったら、そうなってから対応すれはいい」と思っているようで、行動自体がものすごくいい加減なのです。
適当に歩いて物に躓き、怪我をしないように転倒します。怪我をしないので転倒したことを反省せずにまだ同じことを繰り返します。・・・わが子はこんな生活をしているのです。
見ていると怖いのですが、危険に対応する機会が著しく多いわが子は、対応能力が日々磨かれていきます。こんな生活をしているうちに、誰も持っていない能力を身に付けてくれるかもしれないという期待を持ってしまいます。
わが子は何もかもがあまりにも父親に似すぎています。私だからこそわが子の理解者になってあげられるのですけど、そうでなければ「この子はおかしい」と絶対に思うはずです。わが子の父親が私でよかったと思っています。
妻はおかしな行動をするわが子と私に呆れていますが、すぐに慣れてくれました。今では逆にそんな私たちを頼もしいと思っているようです。
少々特殊な能力を持ったわが子が、これからどのような成長をするのかとても楽しみです。