日記

わが子が迫真の演技をするようになった 嘘をつく3歳半の幼児

3歳6ヶ月のわが子が、迫真の演技をして私を騙すようになりました。

わが子は私の子供のころにそっくりです。早いうちに人を騙すような行為をするようになるだろうと思っていました。しかし私は嘘を見抜くのが得意で、わが子には簡単には騙されない自信がありました。

しかし騙されてしまったのです。

このエピソードを紹介します。

目次

わが子はジャングルジムに上るのが下手?

昨日の日曜日、わが子を近くの小学校の校庭で遊ばせました。その小学校は休みの日は校庭を開放し、自由に遊べるようにしてくれています。

昨日は私と妻で、わが子を小学校に連れて行きました。

最近わが子は、3mくらいのジャングルジムのような金属のパイプで作られたよじ登る遊具に、一人で上まで登れるようになったようです。その遊具は一番上から滑り台で降りられるようになっています。

昨日もわが子がそこに登りたいと言うので下で見ていました。すると登っている途中で「お父さん手伝って」と言い出しました。

3歳では少々難易度の高い遊具です。高さが3m以上ある遊具ですから、3歳ではあの高さによじ登ることは怖いでしょうし危険です。私はわが子を助けるために遊具によじ登り、下から上がってくるわが子を所々で手伝いました。そして滑り台の降り口まで導くと、滑り台から滑らせました。

わが子はよじ登るやり方があまり上手ではありませんでした。高い所を手でつかんで、手で体を引き上げながら足も同時に一段上げるというやり方がいいのですが、足を上げる高さのパイプを手でつかんだまま、足を持ち上げようとします。とても不安定で見ていて怖いのです。

「手はいつも上のパイプをつかんでね。それから足を上げるんだよ」と教えても、なかなかうまくできません。見ていて落下しそうで怖いので、手を取ってあげたり持ち上げたりするしかありませんでした。

それでもわが子は4回も登るのにトライしました。

毎回上の方まで登ると、「怖い怖い」と言います。そう言いながらも何度も挑戦を繰り返すのですが、登り方がなかなか上手になりません。付き合うのも大変でしたが、わが子の挑戦を頼もしく思い手助けしていました。

わが子の演技に騙された

家に帰ると妻が、「あの子はお父さんがいると甘えるね」と言いました。「私と二人で行く時は、一人で上まで簡単に登るのに」と妻に言われた時、「やられた!」と思いました。

確かに違和感はありました。わが子が登ると怖いと思っているような場所に、何度も繰り返し登ろうとするなんてあり得ません。あの子は自分がやりたいことしかしません。怖いのに我慢してやろうとするような負けず嫌いの気持ちは、まだ今はまったく持っていないのです。

あれぼと怖がっているのに、何度も繰り返し登ろうとすることには若干の違和感は持っていました。それでも「怖い怖い」と言う様子が、嘘とは思えなかったのです。3歳児が嘘をつくような言い方ではなく、本当に怖いと思っているようにしか聞こえませんでした。

妻が先週わが子がその遊具に登った様子を、動画撮影していました。それを見せてもらうと、軽快に平気でよじ登っているではありませんか。完全に私は騙されたのです。

わが子は昨日は、わざとへたくそな登り方をしていたのでしょう。わが子が合理的に登る方法を自分で考え付かないなんて、今までの行動を見ていれば考えられません。どんな運動でもすぐにコツをつかんでしまう子のはずなのです。よじ登る程度のことで、非効率的で危険なやり方をし続けるなんておかしすぎます。

それでも私は高い所だから怖くて、冷静な判断ができないからだろうと思いました。しかし私の考えが甘かったです。

「怖い怖い」という言い方も後になって考えてみると、少しできすぎでした。本当に弱々しく、これは絶対に嘘ではないと思えるくらいの言い方でした。

しかしあまりにも完璧すぎました。完璧すぎるので違和感を持ったくらいです。必ず「怖い怖い」と、怖いを2回繰り返すのです。

本当に怖い時には声も出せないでしょうし、言い方も毎回違うはずです。必ず「怖い」を決まったように2回繰り返すのは、何かおかしいなあと感じてはいました。しかしそれでも私が騙された理由は、わが子は言葉だけではなく態度も、完ぺきに演技していたからです。

3歳児が嘘をつく場合、親の顔をうかがいながら行うことが多いでしょう。ちらちらと親の顔をうかがって様子を見ながら、遠慮がちに嘘をつくのが普通です。しかしわが子はまったく私の顔をうかがう様子なく、必死で考えて登ろうとしているように見せかけられたのです。あれでは私も騙されてしまいます。

思い出せば怪しい所はこのようにいくらでもありました。効果的に体を持ち上げられる正しい場所をつかんだ時にも、そこから手を放してわざわざ体を引き上げにくい所をつかみ直すことがあったことも思い出しました。しかも下の方では正しく登っているのに、私が待っている上の方に来ると、急におかしな登り方になっていたのです。ここまでくればおかしいとすぐに気づくべきでしたね。

それにしても嘘を見抜くことが得意だと思っていた私も、随分と感覚が鈍ってしまったようです。

これからはほんの少しでもわが子に対して違和感を覚えた場合は、嘘をついているかもしれないと疑ってかかった方が良さそうです。嘘をつくのは得意な子だろうとは思っていましたが、早くも本領を発揮し始めたようです。

この子は幼児だと思って相手にしてはいけないです。

わが子の嘘を常に見抜く必要性

わが子がどうして嘘をつくのが得意だと思っていたというと、わが子は運動能力も考え方もほとんどすべて私にそっくりだからです。

私が幼児期には「幼児がこんな嘘を言えるはずがない」と大人が思っていることを逆手に取り、嘘をついていた記憶があるからです。

しかも私の場合は、他の子が嘘をつく時に視線を落として、遠慮がちな態度でいるから一発で嘘をついていることがわかってしまうことも理解していて、嘘をつく時は相手の目を見て、はっきり話をしていました。嘘がバレているかどうかを大人の表情で読み取ることも完璧にできました。

本当に私は普通とは違う変わった子供でした。きっとわが子は私にそんなところもそっくりに育っていくでしょう。

私は妻にわが子が0歳の時から、「この子は僕に似て誰にもバレないような嘘をつく能力があると思う。でも僕を騙すのはかなり難しいよ」と言っていました。わが子が私と同じように人にはバレない嘘をついたとしても、私だけは騙されない自信を持っていました。

しかし昨日はあっさりと騙されました。わが子のすごさに驚いて知能の高さに頼もしさを感じると当時に、自分が騙されたという情けなさも感じています。

わが子のその能力は悪い方に使ってはいけません。それも正しく教え込むことが私に科せられた使命です。

大人を騙すことが簡単にできるのですが、「お父さんだけは騙せない。お父さんみたいに嘘を見抜ける大人もいる。自分が一番じゃない」ということを、しっかりわが子にこれからずっと知らしめていかなければなりません。天狗にならせてはこの子のためにならないのです。

しかしわが子も私をも騙すことができたのが3歳6ヶ月です。なかなかすごいなあとつくづく思います。こんな子供はきっとサンタクロースが実在することなど、3歳の今でも絶対に信じていないでしょうね。

おかしな夫と子供に囲まれて、妻もさぞかし大変でしょう。でも妻はすべてを理解したうえで、私たちを心から愛してくれています。

 

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