「赤ちゃんの運動能力をどう優秀にするか」という本を購入して読んでみました。
乳児のうちから親が意識して運動させるようにすると、優れた能力を持った子供に育つという内容の本です。著者はグレンドーマンという人間能力開発研究所の創立者です。
私は子供の能力を少しでも高くしたいと考えたので、この本を手に取りました。
読んで思ったことは、親が子育てを真剣に行うという意識を持つことはとても大切だということでした。
目次
「赤ちゃんの運動神経をどう優秀にするか」について
この本は、自分の子供の能力を上げることができるかもしれないと期待させてくれる本です。
いつも子供のことだけを考え、子供を育てることに高い情熱を持てるようになるかもしれません。それがこの本を読む大きなメリットだと思います。
ただしこの中に本の中に登場する子供は、かなり成長が早いです。生まれて3ヶ月経たないの赤ちゃんが、親の指に掴まってぶら下がることができるなど、普通では到底できないと思えることが書かれています。
インターネットで調べて見ると、実際には不可能なことを推奨しているというレビューがとても多いです。
要注意。真に受けて下手すると危険。
まず、盲信すると危険。他のドーマン法の、認知機能のみに関する本より、本書は身体能力を扱うので、命を脅かすことにも即つながる。うつ伏せとか薄着とかに関して、現代の常識を優先しないとダメ。
それから、やろうとしてもできないことが多い。運動能力を優秀にするというより、優秀だからできるんじゃないかと毒づきたくなるくらい。
それでも、目から鱗の考え方にも出会えたから、一読して良かったと思う。でも本当に、自分を偉そうに言うようだけれども、私には医療的知識があるし、仕事上それが無い人とも接している経験から、一般書としては危険すぎると思います。おもしろいけど
全体的に読んだ感想は、『おもしろかった』です。
読んでいて、なるほどっと納得できることもあったり、参考になることはたくさんありました。
そして子供と接する時の目安や目標ができると思います。ただ、実際にこれを実行するには…厳しいかな〜??
現在日本国ではうつぶせ寝は窒息の危険があったり、ドーマン先生の道具を実際作るのは手間もかかりますので、この本の内容全てを実践できるのは、本気で朝から晩まで他のことを考えずに子供のことだけ考えれる方くらいしかいないかな?
あと、ここへ通われている子供たちの発育がかなりいいので読んでいて途中から私の子はまだまだできない・・・と、悲しくならないように。。。
多くの人が「この本に登場するモデルの子供は、運動能力の発達が早すぎて参考にならない」と考えるようです。
訓練によって運動能力の優れた子になったのではなく、生まれながらに運動能力の優れた子供だったのではないか? と思われる人も多いようです。
いずれにしろ普通の育児書とまったく違い、子供を超人にすることを目的としたような本なのです。
正直な感想
この本は赤ちゃんの資質で合うか合わないか決まります。この本の通り訓練しようとしても、赤ちゃんがやってくれなければ無理なのです。
まだ生後2~3ヶ月程度で本能のままにしか行動しない赤ちゃんを、うつぶせにして前に進めと願っても、動いてくれないことがほとんどでしょう。
生後5~6ヶ月で親が子供の前に自分の指を出して、「指を掴め」と願っても掴んでくれないこともあります。
子供が指を掴んだらそのまま持ち上げることで腕力が鍛えられると言いますが、体重が重くなってしまった赤ちゃんは、絶対に指を掴んだまま離さずぶら下がることはできません。
この本ではいとも簡単に赤ちゃんが物を掴んでぶら下がることができるように書かれていますが、実際はなかなか赤ちゃんがぶら下がることができるほど強く物を掴んでくれることはないのです。
この本の通りに実践しようとしても、初期段階で躓いてしまうことが多いでしょう。
この本では、以下のようなことをさせるようなプログラムが組まれています。
- 生後間もない赤ちゃんをうつぶせにして、自力で前に移動させること
- 生後2ヶ月半~7ヶ月の子供に、物を掴んでぶら下がるようにさせること
これらは動くことが本能的に大好きでないとできないことでしょう。またこの書に書かれていることは、ほぼすべて体重が軽い赤ちゃん限定の話です。体重が軽くないとほとんどのことができないのです。
しかし赤ちゃんの体重は親が管理することは難しいですよね。飲みたい時に飲みたいだけ母乳やミルクを飲ませるのが当たり前ですから、たくさん飲む子供は体重が増えてしまうのです。
ズリバイやハイハイなど赤ちゃんが移動手段を得た場合は、赤ちゃんが自分で激しい運動をしてその結果スリムな体型を維持できることもあります。
しかしまだハイハイしていない赤ちゃんは、運動不足で太っていることが多いでしょう。
ハイハイができるようになっても、たくさんハイハイしないと太ったままです。
後半に出てくるうんてい(ブレキエーション)もぶら下がることができないと無理ですし、長い距離を歩くことも走ることも重い体ではできません。
太らずにスリムな体だったとしても、うんていは相当腕力を付けないとできません。たくさんの距離を歩くのも、日頃からかなりの距離を歩く習慣がないとできません。
よほどの行動的な子供でないと、この本で紹介されていることはできるようにはならないと思います。
読み進めていくとさらに難しい話が次々に登場します。5歳で4.8kmの距離を36分で走り切るようになることが、走ることの最終目標とされています。さすがにそこまで運動能力を高められる子供はまずいないでしょう。
読んだ人の感想の中には、冒頭で紹介したとおり「この訓練をしたからすごい子になったのではなく、最初からすごい子で生まれたからあそこまでできたのではないか」というものがとても多いです。
実際に私も訓練すれば誰もが同じようになれるとは思えませんでした。
私はこの本の通りに子供が成長していくためには、優秀な子供として生まれてくることよりも、赤ちゃんが親の願った通りに動いてくれることの方が大切だと思います。そしてそれが最も難しいことだと思います。
この本を読む価値はある!
ここまで随分否定的なことを書いてきましたが、私はこの本を読む価値があると言い切ります。
理由は子供の能力を上げるには、0歳からの訓練が必要だという意見に賛成だからです。子育てにはその気持ちを親が持つことが大切で、この本はそれに気づかせてくれる本なのです。
3歳くらいから習い事をさせたり運動をさせたりしても、もうすでに運動神経の元は、ある程度出来上がっているのではないでしょうか?
出来上がっていないまでも3歳から頑張って運動させても、0~2歳までに運動を積極的にさせるよりも、効果が薄い気がするのです。これはあくまで私の主観ですから間違っている可能性もありますが。
運動神経とは器用に体を使うことができることや、動いている物に対する対応の良さなどのことを言うと私は考えています。
これらは運動の根本的な能力であり、それは少しでも早くたくさんのことを経験することで高められるのではないでしょうか。
0~1歳の時に特別なことができた子供は、中学生になっても運動神経がいいままのことが多いという話もあります。
しかし3歳を過ぎてから習い事などでできることが増えた子は、小学校高学年くらいになると他の子に追いつかれ追い抜かれることもあります。
もし子供の能力を上げたいのなら、0歳の時から特別な運動をさせることが重要なのかもしれません。
そのやり方を示した本ですから、子供の能力を上げたいと考える方は一度目を通すことをお勧めします。
私がこの本を購入したのはわが子が10ヶ月の時でした。すでにハイハイ期を終了して歩き出した頃でした。
わが子は大変な量のハイハイをしました。私たち夫婦がハイハイをたくさんさせるように努力したのです。
ハイハイをたくさんさせることを、この本で学んだわけではありません。そもそもこの本では、ハイハイをたくさんさせるよりも早く歩かせることを推奨しています。
おそらくハイハイ期よりも前にこの本を読んだとしても、私はハイハイをたくさんさせたでしょう。
この本の内容をすべ信じることなくあくまで自分でしっかり考えた上で、良いと思ったところだけ取り入れることが重要です。そしてこの考えはすべての育児書に共通するものだと思います。
参考にしたこと
ぶら下がりができるようにする
わが子にぶら下がりができるようにする工夫をしています。
妻は私の子供を抱く時、自分の指に捕まらせます。子供が指に捕まったら、そのまま子供を抱く位置まで持ち上げます。わが子は妻に抱かれるたびに、妻の指に自分の力でぶら下がることになります。
そのおかげでわが子は1歳2ヶ月の時には、10秒は自分の力でぶら下がれるようになりました。
手足をバランスよく鍛えることは重要です。
普通の育て方をすると、ハイハイもたくさんしませんし、歩き始めたら手を使うことはあまりありません。そのため2歳くらいになっても腕は細いままの子がとても多いです。
しかし積極的に腕を使うようにしていくと腕が太くなりますし、手をたくさん使うことで脳にも刺激が入って成長していきます。
坂道を歩かせる
少々危険ですが、1歳3ヶ月から足場の悪いかなりの斜面を下らせています。またその坂を登らせています。
このようなことをさせると、バランス感覚が身に着きますし筋力も発達します。
幼児の歩行能力を向上させよう 斜面を歩く効果と注意点という記事も書いています。興味のある方は是非ご覧ください。
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1歳児に斜面を歩かせて歩行能力を大きく向上させました
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参考にしたことまとめ
この本の全体の中で、大切だと思うことをまとめます。
- たくさんの運動をさせると能力が上がる。
- 少しでも早い時期に、運動をさせることを意識することが大切。
- 運動させることで脳も使われ、成長する。
要約するとこのようなことになります。
子育てを頑張っただけ、子供の能力が高くなるということですね。
注意点
私がYouTubeにアップしている動画を見ると、私が「赤ちゃんの運動能力をどう優秀にするか」の信者になって、赤ちゃんに過酷な運動を強制しているように感じられる方もいるかもしれませんね。
しかし決してそうではありません。子供が望むことを(安全だという判断の上で)止めずにやらせているだけなのです。
坂道を下るのは親が無理にやらせているのではなく、わが子がいつも自分で笑いながら喜んでやっているのです。
歩くのを嫌がる時もありますが、そのような場合は無理をさせません。
自分の子供を優秀にさせたいからといって、やりたくないことを強制していることはありません。
またこの本には赤ちゃんを上に放り投げることが紹介されています。しかし頭を揺さぶることで障害が出る可能性もありますので現在では推奨されない訓練です。
赤ちゃんを放り投げることだけは、実践してはいけないでしょう。
まとめ
様々な運動をさせることで運動能力が上がる可能性があります。必ずしも本に書かれている通りのことはできなくてもいいのです。
書かれている内容のことを少しでもさせようとする意識を持つことで、「子供を優秀にできるかもしれない」という意識が親に芽生えます。
その意識の芽生えは「子供を漠然と面倒を見ているだけのとても疲れる育児」が、「疲れても子供の能力アップのためだから楽しい」という気持ちに変わるのです。これが最も重要なことです。
子育てがつらいと感じてばかりの人でも、育児を頑張ることにより楽しいと思えるようになるのです。これ、とても大切なことだと思いませんか?
もし興味のある方は、一度読んでみたらいかがでしょうか。
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