赤ちゃんが何もつかまらずに床から立ち上がることを「たっち」と言います。
つかまり立ちから歩行に入り、床から直接立ち上がることがなかった子よりもバランス感覚や転倒耐性(転倒することを怖がらない)が鍛えられ、その後の運動能力に大きな影響を与えると私は思っています。
独自の考えでこのたっちの重要性を説明したいと思います。
目次
たっちとは?
このたっちにも様々な解釈があるようです。
物につかまって立ち上がっても「たっち」と言う場合もあるようですし、何にもつかまらずに立ち上がる場合だけを「たっち」と解釈している場合もあるようです。
調べてみると「たっち」の定義は「立ち上がること」である場合が多いようです。
物につかまって立ち上がった場合は「つかまり立ち」というべきではないかと思うのですが、たっちの定義は曖昧のようで人それぞれの解釈になっているようです。
私は以下のように考えていました。
- 物につかまって立ち上がること⇒つかまり立ち
- 何もつかまらずに立ち上がること⇒たっち
しかし立ち上がることができたら「たっち」という場合がとても多いことを知りました。
これでは「つかまり立ち」と「たっち」は同義語になってしまい区別がつかなくなってしまいます。
そこでこの記事では、物につかまって立ち上がることを「つかまり立ち」とさせていただきます。そして何もつかまらずに立ち上がることを「たっち」とさせていただきます。
私は「たっち」は赤ちゃんの成長において、とても大切な行動だと思っています。今では多くの赤ちゃんが、「つかまり立ち」から「伝い歩き」し、そのあとで「歩行」という流れの成長になっているのではないでしょうか?
わが子は「つかまり立ち」⇒「たっち」⇒「歩行」という流れで成長していきました。
この流れによりわが子の基本能力はとても高くなったと感じています。結果的にたっちはとても大切だと実感しています。
たっちができる条件
たっちは簡単にはできません。立つことができたばかりの赤ちゃんにとっては立ち上がった状態で下を見下ろすと、とても高く感じると言われています。
まだ立ち上がることができるようになったばかりでは、転ばないようにバランスを取ることはできません。すぐに転倒します。転倒時にしっかりと手を突いて体を守れる自信がないと、何もつかまらずに立ち上がる気持ちになれないことが多いのです。
たっちして転ぶときに手を突くことを覚えていきますが、まったく手が突けなかったら怖くてたっちはできないことも多いのです。
わが子は立ちあがったばかりから、転んだ時にはしっかりと手を突いていました。このようなことができた理由は、たくさんハイハイさせたことが最も大きな要因だと思えています。
ハイハイをたくさんさせると、手を突く動きをしっかり体に覚え込ませることができるのではないかと思います。わが子の場合はハイハイから一瞬でお座りしていたので、その時にバランスを崩して倒れることがありました。そんな時に手を突くことをしっかり覚えたのだと思います。
様々なシーンで手を突く重要性が体に染みついていたわが子は、立ち上がって転んでもしっかり手を突いて体を守ることができました。転んでも体を守れることがわかっているので、転ぶことを覚悟で立ち上がることもできたのです。
つかまり立ちをしても、つかまった物から手がなかなか離せないという話をよく聞きます。これは転倒した時に手を突いて体を守る自信がなくて怖いからだと考えられます。
このような子供はなかなかたっちができないのかもしれません。
立ち上がることができるような体になる前に、たくさんハイハイさせてたくさんお座りで転がらせて、手を突くことを覚えさせたことがわが子にはよかったのだと思います。
たっちの効果
たっちするとしっかりバランスを取らなければすぐに転倒します。歩けない赤ちゃんが何もつかまらずに立ち上がることはとても難しいのです。
もともとたっちをする子供は転倒する時に手を突くことができる子が多いのですが、どんな子でも初めて立ち上がる時にはとても慎重になります。
いつ転倒してもすぐに手が突けるように、手を前に出して転倒に備えて立ち上がります。備えているので転倒したら手を突くことができます。何度もたっちをするとこの動作を繰り返すことになり、転倒時には手を突くことが当たり前になるのです。
これは大変な効果です。たっちをしない子供には、手を突く動きを学ばないで成長することがとても多いと思われます。
ハイハイ期にお座りなどで転がって手を突くことを覚えておき、たっちができる気持ちを持たせます。そしてたっちして立ち上がって転倒した時に、確実に手を突くことを覚えるという流れになります。
何もつかまらずに立ち上がることができると、立ってから歩きだすまでがとても早いです。また歩きの上達もとても早いです。
つかまり立ちしかできなかった知り合いの子は、立ち上がってから半年以上も歩き出すことができませんでした。
たっちの種類
たっちには2種類あります。
ひざを伸ばしたまま立ち上がる方法と、ひざを曲げてしゃがんだ状態から立ち上がる方法です。
ひざを伸ばしたまま立ち上がる方法ですが、最初はひざを伸ばして手を突いて、四つん這いのポーズを取ります。それから少しずつ重心を後ろに掛けていき、床から手を浮かせて立ち上がります。
その方法よりも難易度が高いのは、しゃがんだ状態からたっちすることです。これは言葉通りひざを曲げてしゃがんだ状態から立ち上がるやり方です。
しゃがんだ状態から立ち上がる子はあまり多くないようです。難易度がかなり高いと思われます。
一般的にしゃがんで遊ぶことは、2歳近くにならないとできないと言われています。赤ちゃんのうちにしゃがんだ姿勢を取れる子でないと、しゃがんだ状態から立ち上がることは難しいでしょう。
この立ち上がり方をするメリットは、強靭な足力が付くことです。0歳のうちからひざを伸ばして立ちあがる訓練をすることで、それをしていない子にはできない体の使い方をすることができます。
それができることに意味はないのかもしれません。でももしかしたらあるかもしれません。そのちょっと独特な考えから導き出した根拠をこれから説明させていただきます。あくまで子育てや人間成長発達の専門家ではない私の荒唐無稽な意見かもしれませんので、あくまで「そんな考えがあるかもしれないね」という気持ちでお読みください。
あまり普通ではやらない時期にやらないことをすると能力が上がる可能性があるという根拠について、最初は私の体について紹介させていただきます。
あまり関係ないかもしれませんが、私の足は前脛骨筋がとても発達しています。前脛骨筋とはむこうずねに付く筋肉のことです。
野球で甲子園に出てプロにも注目された選手や実業団のマラソンランナーに会ったことがありますが、前脛骨筋が私ほど発はしていませんでした。私よりも前脛骨筋が発達している人間を見たことがありません。
ごく一般的なスポーツ経験をしてきただけの私が前脛骨筋の発達が著しいことを考えると、特殊な育ち方をすると普通は発達しない筋肉が発達する可能性があります。
一説には3歳までに筋肉の数が決まるという説もあります。その説が正しいとした場合、私は3歳までに前脛骨筋を使う運動をしたため前脛骨筋の筋肉数がとても多くなり、少し鍛えただけで前脛骨筋が発達したという仮説を考えたことがあります。もちろん専門家ではないので私の個人的な考えですが。しかし何かの理由がなければ特別に鍛えたわけではない前脛骨筋が、異常に発達することはないと思うのです。
わが子は赤ちゃんとは思えない運動をたくさんしていました。0歳児の高速ハイハイやしゃがんで遊ぶこと、しゃがんだ状態から立ち上がることなどをしていました。
もし0歳でないと作れない筋肉があったとしたら、将来わが子がすごいアスリートになる可能性があるのではないかと思ってしまいます。
根拠のあまりない期待をわが子にしています。でもこんな期待をすることも子育ての楽しみですよね。