鉄棒遊びは、まず第一段階としてぶら下がれるようになることから始まります。
それができるようなったら、次のステップとして「豚の丸焼き」という遊びをすることがお奨めです。
豚の丸焼きはぶら下がるのに比べると、急に難易度が上がることになり少々注意が必要です。しかしなるべく早いうちに豚の丸焼きまでできるようにしておくと、様々なメリットがあるのです。
お子さんが10秒くらい続けて鉄棒にぶら下がれるようになったら、ぜひ豚の丸焼きにチャレンジさせてみましょう。
目次
豚の丸焼きとは?
豚の丸焼きとは、両手で鉄棒を掴んだ状態で足を上げて鉄棒に絡め、手足でぶら下がるものです。
※本当は鉄棒に足を絡めるのですが、なかなか足を絡めた時の写真を撮ることができませんでしたので、支柱のジョイントに足が絡んだ状態の画像となっています。
豚を食べるために丸焼きにする姿に似ていることから、この名前が付いています。正式名称はないようです。
鉄棒にぶら下がることができるようになったら、次のステップとして豚の丸焼きをさせることがいいようです。
豚の丸焼きをさせるメリット
幼児は普通に育てていると、手を使う運動をあまりしないのです。そのため腕の筋肉がまったく付いていないバランスの悪い体になってしまうことがあります。
豚の丸焼きを行うことで、鉄棒を楽しみながら腕力を鍛えることができます。
また前回りをする時には、頭が体や鉄棒より下になる時があります。これは幼児には大変な恐怖を伴うものだそうです。
豚の丸焼きをすることで頭が体よりも下がる状態になります。それをあらかじめ体験していることで、前まわりの恐怖に対する耐性が付くのです。
誰かが豚の丸焼きをやっているのを見て、真似してやってできるようになった時、大きな達成感を味わうことになります。
ぶら下がることしかできなかった幼児には、豚の丸焼きはそれよりちょっと難易度が高くなります。難易度の高いことができるようになると、うれしさも大きいようです。
わが子は妻(ママ)がトイレに行っている間に、ダイニングに置かれた家庭用鉄棒で、一人で果敢に豚の丸焼きに挑戦していたのですが、それが始めてできたことがうれしくて、ママがダイニングに戻るとすぐに、「見て見て」と言って目の前で実践して見せてくれたそうです。
子供が達成感を味わってくれたことが、親としては何よりうれしかったです。
豚の丸焼きをする時期
わが子の例で考えると、鉄棒に10秒以上ぶら下がり続けられるようになれば豚の丸焼きはできるでしょう。
しかし注意点しなければならないことがあります。
わが子は1歳にはもう10秒くらいは、親の指に掴まってぶら下がり続けることができました。ただしいくら10秒間、物にぶら下がり続けられても、2歳くらいまではさせない方がいいのです。理由は危険だからです。
豚の丸焼きは逆さに近い形になります。もし鉄棒から手を離したら頭から床に転落するため、大変な怪我を負う可能性があります。
体を支える腕力はあっても危険に対する意識が希薄だと、途中で手を放してしまうかもしれません。頭から床に落下したら危険すぎますから、わが子の場合は2歳前にはやらせるべきではないと私は考えました。
わが子は無鉄砲で危ないことを繰り返す時期がありました。それから1歳8ヶ月頃から急に、以前はやっていた危険なことを怖がってできなくなったのです。そして2歳近くになって、やっと危険なことは注意して行うという一般的な子供になりました。
私はこのようになったことを見極めて、わが子に豚の丸焼きをやらせようと考えたのです。
わが子に豚の丸焼きをやらせるまでの経緯をまとめます。
1歳1ヶ月~1歳7ヶ月
鉄棒に10秒以上楽々ぶら下がり続けられる力はあった。
しかし無鉄砲でどこにでも登り、何でもするような子だった。このような時に豚の丸焼きをすると、危険なことだと理解していないため、やっている最中に安易な気持ちで手を放すかもしれない。絶対にやらせるべきではないと思ってやらせなかった。
1歳8ヶ月~2歳0ヶ月
危険なことが理解できたため、急に怖がって何もできなくなった時期。それまではストライダーも急な斜面を平気で疾走していたのに、それが怖くてできなくなっていた。
この時期に豚の丸焼きをやらせても、ぶら下がって頭が体より低い位置になることを怖がってやることができなかったと思われる。
2歳1ヶ月
危険なことを意識して注意しつつも、恐怖心を克服して様々なことにトライできるようになった。こうなると豚の丸焼きも怖がることもなく挑戦してくれるし、無茶なこともしないので安心できる。
わが子にはこの時期に豚の丸焼きをさせることにしたが、絶対に途中で手を離すことなく楽しそうにトライしてくれた。
このように子供をしっかり観察し、やらせる時期を慎重に見極めましょう。月齢はわが子の場合ですから、自分のお子さんが無茶なことをしないと信じられる時期を見極めて、豚の丸焼きにトライさせてみましょう。
豚の丸焼きができる条件
- 鉄棒に10秒はぶら下がり続ける筋力がある
- 度胸が付いて、頭が体より下の位置になることを怖がらない
- 途中で絶対に手を離さないために、危険に対する防衛意識を持っている
※あくまでわが子の場合であり、どのお子さんにも当てはまるわけではないことはご理解ください。
豚の丸焼きができるようにする方法
鉄棒を購入して家でやらせることがとても効果的です。子供が「豚の丸焼きをやろう」と思った時にすぐにできるからです。
公園の鉄棒で豚の丸焼きをやらせようと思って連れて行っても、連れて行ったその時は、豚の丸焼きをやろうという気持ちをまったく持っていないかもしれません。やる気持ちがなければできないのです。
家に鉄棒があれば、子供がやりたいと思った時には自ら鉄棒に歩み寄り、一人で勝手にやり始めてくれます。
子供のやりたいという気持ちを持ったタイミングを逃さないためには、家に鉄棒があることが何より大切です。
家に鉄棒がある場合は高さの調整ができます。ほとんどの子供用鉄棒では、高さを最も低くすれば2歳児なら手が届くようにできるはずです。
手が届かない場合、豚の丸焼きをさせるにはかなり苦労します。子供を抱えて鉄棒に手が届く高さまで持ち上げなければなりません。
子供にとっても自分の力ですべてのことができないので、「一人でやっている」という満足感が得られません。
得てしてこの頃の子供は、人に手伝ってもらうことを嫌がります。わが子もフォローしようと手伝うと、「パパじゃない」と言って怒り始めることが多かったです。
家庭用の鉄棒でも公園などの鉄棒でも、子供が1人でトライできる高さであることはとても重要だと感じています。
豚の丸焼きをするために大切なのは、支柱などに足を掛けて下半身を上げられることです。
2歳くらいでは鉄棒に平行に掴まった状態で、自力で両足を鉄棒まで上げることは難しいです。
わが子も鉄棒の支柱に足を掛け、それをステップにして鉄棒まで足を上げていました。力が付けば自力で鉄棒まで足が上げられると思いますが、それまでは支柱に足を掛けて足を上げることを、教えてあげることが大切です。
そしてやるには誰かが見本を見せなければなりません。それが兄弟でも、親でも、友達でも構いません。
わが子の場合は、私(父親)がやることが最も効果がありました。
父親のできることは何でもやりたいと思う気持ちが芽生えていたので、私がやって見せたら、すぐに自分もやりたいという気持ちを持ってくれました。
豚の丸焼きのやり方を、子供に簡単に言葉で説明できるものではありません。絶対に見本を見せることは必要です。わが子のように2歳前半では、細かな説明を理解してくれないこともあります。
見本を見せて欲しいと子供からリクエストがあれば、何回も見本を見せてあげることが大切です。私はわが子に豚の丸役を教えた時、20回以上は見本を見せました。
(私の購入した鉄棒は定められた耐荷重が私の体重以下です。無理して使うと壊れてしまうかもしれませんので、もし家庭用鉄棒で見本を見せようとしている親御さんは自己責任でお願いします。)
そして最も大切なのは子どもを褒めることです。
やろうとしたらまず褒めます。トライする気持ちを持つことはとても大切なことだからです。
できそうになったらまた褒めます。本人も「あと少しだった」という手ごたえは持っています。その時に「すごい、あと少しだね。頑張ってね」と声を掛けると、わが子は目の色を変えて頑張っていました。
できた時は大げさに褒めましょう。わが子は私が会社に働きに行っている間に、豚の丸焼きができるようになりましたが、その日は私が家に帰ると、すぐに私にも豚の丸焼きを見せてくれました。私にも見て欲しくてたまらなかったのですね。そのくらいできたことがうれしかったのでしょう。
そんな時は絶対に褒めなければいけません。頑張った上でできるようになったことを親に褒められたら、その後に別のこともまた頑張ろうという気持ちが湧いてくるでしょう。
すこし注意しておくべきこと
豚の丸焼きは、鉄棒の支柱に足を掛けて下半身を持ち上げます。降りる時は足を鉄棒から離すわけですが、この時に足を掛けるのに使っていた支柱に足が当たることがあります。
踵は強くぶつけると簡単に骨折します。金属の折りたたむための可動部に足を強く当てると怪我をするかもしれません。
私は支柱の可動部にクッションを入れて、怪我を防止できるようにしました。私の購入した鉄棒には可動部にビニールのカバーがあるので、その中にクッションとしてスポンジを詰め込みました。
その他わが家で気を付けていることは、子供の手に手に油が付いていない状態で鉄棒をやらせていることです。
わが子は食事の途中で立ち上がり、鉄棒をやり始めることもあります。油物を食べている時は油が手に付いていることもあります。油で揚げたお菓子を食べた時は間違いなく手に油が付いています。
その状態で鉄棒にぶら下がると、手が滑って落ちてしまうかもしれません。逆さになっている時に手が鉄棒から離れたら、頭から落下するので大変なことになります。
子供の手に油が付いていないことを確認してから鉄棒をやらせてあげましょう。
鉄棒を購入して家の中でさせてあげたいと考えても、家庭用鉄棒はとても広いスペースを取ります。
わが家では二階に置いてあった鉄棒をダイニングに持ってきましたが、空きスペースがかなり少なくなりました。
そのためストライダーに乗る機会が激減しそうでした。わが子はいつもストライダーを家の中で乗り回しています。これがなくなると寂しいと思いました。
この対策は、使わない時は鉄棒を折りたたんで置いておくことにしました。わが子が鉄棒で遊びたいと言い出したらすぐに広げて遊ばせるのです。
わが家で買った鉄棒は簡単に折りたため、簡単に広げられます。そのような鉄棒を購入しておくと様々なことに対応できます。
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以上、小さな子供に豚の丸焼きをさせる方法を紹介させていただきました。
2歳になったばかりでも親が真剣に取り組めば、豚の丸焼きをさせることができます。運動をさせることでお子さんの能力向上を期待しているパパママは、お子さんにできるだけ早い時期にやらせてあげると効果がありますよ。
鉄棒遊びは少々の危険を伴います。怪我をすることもありますので、安全には充分注意して、自己責任で行っていただくようお願いいたします。