わが子が幼稚園に通うようになって1週間。わがままがひどくなりました。
まるでイヤイヤ期と思われるようなわがままを連発するようになったのです。劇的に甘えもひどくなりました。
わが子の性格が一変するほどの身の回りの環境変化はありました。わが子が幼稚園に通うようになったことです。
幼稚園に通うようになってわがままが激しくなった原因と対策を紹介します。
なぜ幼稚園に行くとわがままがひどくなる?
ホームセンターに行くと、ペット用品のコーナーで犬の使うおもちゃを持ち出して、「これが欲しい。買って」と言いました。「これは犬の物だから、買わないよ」と言うと、「買って買って」と言って泣き出しました。
いちご狩りに行って腹いっぱいイチゴを食べた後、公園に行くと自動販売機でイチゴ牛乳を欲しいと言い出しました。「今イチゴを食べたばかりで、まだ飲めないよね。飲めないから買わないよ」と言うとまたひどく泣き出しました。
こんなことは今までに一度もありませんでした。
普通の子供はイヤイヤ期などがあり、欲しい物を買ってもらえないと泣き叫ぶと聞いています。しかしわが子に限っては、そんな行為はただの一度もありませんでした。泣きながらわがままを言うこともなかったのです。
それが幼稚園に行ったら、急にそんな行為が見られるようになったのです。スーパーでも「焼き芋が欲しい」「ヨーグルトが欲しい」とわがままばかりでした。
明らかに幼稚園に行くようになってから、わが子は変わりました。この原因を考えてみました。
わが子がわがままになった理由の一つは、幼稚園では親がそばにいないので、甘えられません。そのため家に帰って親と一緒にいると、幼稚園で甘えられない分だけ余計に甘えようとする気持ちはあると思います。
わが子はいつも親がそばにいるのが当たり前の生活をしてきました。わが子を誰かに預けたことは、3回しかありません。母親である妻が病院に行く時に3回だけ、祖母に1時間くらい遊び相手を頼んだだけです。それ以外はいつも、わが子のそばに母親か父親が付き添っています。
幼稚園に行くことになり、初めて親と離れたのです。
離れている間は親に甘えられないので、一緒にいる時には甘えたいという気持ちが強くなっても仕方がないことだと思います。
そしてそれよりももっと大きな要因になっていると思われることがあります。
わが子は親のことが大好きです。その親が、わが子に幼稚園に行って欲しいと願っているわけです。幼稚園に行かせようとしています。このことがわが子にとっては、とても寂しいことではないかと思うのです。
自分が親に愛されているのであれば、親は自分と離れたくないと思うはずです。それでも自分を幼稚園に行かせようとしています。親が自分と離れることを望んでいるのです。子供にしたら、自分と一緒にいるよりも、離れたほうがいいと思っているのではないかと不安になるかもしれません。
親は幼稚園に行って、親と離れることで成長してくれることを望みます。しかし子供にはその気持ちは理解できないでしょう。自分と離れても親は平気なのではないかと思うことで、悲しくて不安になります。そのためいろいろな要求をして、それに応えてくれるかどうかを知りたいのではないかと思うのです。つまり親が自分を愛しているかどうかを試す行為をしていると考えられます。
その気持ちから、店で自分が欲しいと言った物を買ってくれるかどうか確かめています。物が欲しいのではなく、自分の気持ちを親が受け止めてくれるかどうかを確かめたいのでしょう。そうしないと不安でたまらないのだと思います。
わがままに対する対策
そこで考えたのが、わが子に幼稚園に行かせている理由を説明することでした。
「お父さんお母さんも、ユウと離れるのは悲しい。でもユウもいつまでもお母さんと一緒にいるわけにはいかない。一人で生きていかなければならない。その練習のために幼稚園に行く必要がある。お母さんも裕貴と離れるのは寂しいけど、強くなって欲しいから我慢しているんだよ」と説明しました。
このような説明も、まだ3歳の園児には理解は難しいかもしれません。
3~4kmくらい歩くと、わが子は「抱いて」と言ってくることがあります。「今日は抱かない約束で歩くのに付き合っているんだよ。あと少しだから歩こう」と言っても、わが子は「約束したけど足が痛いから抱いて」と主張してきます。
抱いてほしいと思ったら、その気持ちを貫く子供でもあります。そのためわが子と離れるのは親も辛いけど、子供のためだから仕方がないと説明しても、なかなか理解して受け入れるのは難しいでしょう。子育ては難しいなあと思います。
しかし私たち夫婦もわが子をそのまま放っておくわけにはいきません。対応方法を変えました。要求をできる限りかなえてあげるようにしたのです。
- 抱いてほしいと言われたら、なるべく抱いてあげる。
- 買って欲しい物は、なるべく買ってあげる。
- たくさん話をする。
- 遊びにできる限り付き合う。
- 幼稚園での話を一生懸命聞く。
こんなことを繰り返すことで、私たち夫婦がわが子への愛情を強く持っていることを、わが子に理解させるようにしました。
これが効果があったのかどうかはわかりませんが、入園して数日で、わが子はニコニコ顔で幼稚園のバスに乗り、ニコニコ顔で帰ってくるようになりました。
登園5日目に、幼稚園の先生から電話がかかってきました。
入園当初は先生がお菓子を差し出しても手も付けなかったわが子が、お菓子を食べてくれるようになったとのことです。まわりと協調して行動することも学んでくれそうです。これがわが子には最も欠けていた部分だったので、そこが成長してくれる可能性が見えたことはうれしいですね。
わが子の人間性と親とのつながりを考えたら、幼稚園に行ってから初期にはなかなかうまくいかないとは覚悟していました。
親とまったく離れたことがないという育て方をしました。躾ける時はどの家庭よりも厳しくしますが、感情的になって怒鳴ったりたたいたりしたことが一度もない育て方をしました。つまり理不尽な攻撃を受けたことが一度もない子供です。とても居心地のいい生活をしてきたのです。
子供に対する対応は完璧にやってきた自信があります。しかし逆にやり過ぎたことで、わが子は配慮に欠けた対応をされることに慣れていません。
わが子が私たち夫婦以外の人と過ごす時、その人たちの誰もが、完璧にわが子の気持ちを考えてしっかりと対応してくれるわけではないでしょう。そんな時にわが子は、居心地の悪さを持ち、対応の悪い人たちに対して悲しく感じたり、反感を持ったりしてしまうかもしれません。
心配することはたくさんありますが、わが子もこれから多くの経験をして、どんなことにも負けない子になって欲しいです。