わが子のハイハイは速くなるんじゃないかと思うようになりました。
わが子がハイハイを始めるようになる前に、YouTubeで他の赤ちゃんがハイハイする動画をたくさん見ました。
その中にハイハイがとても速い赤ちゃんがいました。
これ、早回ししているんじゃないの? と思うレベルでした。素早く動く赤ちゃんなど絶対にいないと思っていたので、その動画を見た時は衝撃を受けました。
バタフライ式ズリバイからハイハイへ
わが子はバタフライ型のズリバイという、ちょっと変わったハイハイをしていました。
腰を上げずに匍匐前進のように移動することを、ズリバイと呼ぶことがあります。ズリバイもハイハイの形態の一つだと言われていますが、それでも腰を持ち上げて四つん這いで移動するハイハイとは、ずいぶんと違うように思えます。
ハイハイをする前にズリバイをすることが多いようですが、このズリバイがわが子は少し変わっていました。
普通のズリバイは先ほども触れたとおり、匍匐前進型で、手足を交互に出して進むものです。しかしわが子のズリバイは、泳法の中の一つであるバタフライのように、左右の手足を同時に動かして移動するものでした。尺取虫のようなズリバイと言ったほうが、わかりやすいかもしれません。
わが子はズリバイを始めるまで、ずいぶんと時間がかかりました。ズリバイなどできるようにならないのではないかと思っていたため、ズリバイができた時の感動は忘れられません。
サラリーマンである私が会社に行っている時にズリバイができるようになったのですが、妻が動画を撮ってスマートホンに送ってくれました。それを見て、感動して何度も会社で動画を繰り返し見ました。
バタフライズリバイからハイハイさせるのは、ちょっと難しかったのです。匍匐前進型のズリバイは、腰を上げればそのままハイハイになります。しかしバタフライズリバイは、動きがハイハイとまったく違います。
ちょっと苦労しましたが、それでも生後8ヶ月になった日に、ついにわが子がハイハイするようになりました。
ハイハイがなかなかできないとか、ハイハイをしないで歩く子がいると聞いたことがあります。
多くの場合はそのような子でも、問題なく育つとした情報が多いです。
それでもハイハイしないよりしたほうがいいと思っていたため、ハイハイができたことに一安心しました。
ハイハイが速くなりたい気持ち
それから15日後の生後8ヶ月と24日の今日、わが子がハイハイする動画を撮影しました。
とてもぎこちないハイハイです。
でも私は、この動画を100回以上見ています。
わが子が少しでも速いハイハイをしようとしているのを、強く感じたからです。
ハイハイは速くなろうと思わなければ、速くすることはできません。
少なくともわが子は、生後8ヶ月の時点で、ハイハイが速くなりたいという意思があると思えたのです。
そう思えた理由は、ハイハイする時の、真剣な表情です。
ここで私は、生後8ヶ月の赤ちゃんが、なぜハイハイが速くなりたいと思えるのか不思議に感じました。
赤ちゃんはやりたいことだけをやります。
泣きたい時に泣き、笑いたい時に笑います。
母乳やミルクを飲みたくなったら、泣いて知らせます。
そのような本能的な行為だけをするのが赤ちゃんだと思っていました。ハイハイが速くなりたいという意識は、まだ幼い赤ちゃんが持つべきことではないはずだと思っていたのです。
カモメのジョナサンは、ただ飛ぶだけではなく、飛ぶことに対して技術を磨く楽しさを見つけました。
生後8ヶ月の赤ちゃんがジョナサンのように、役に立つこと以外の技術を磨こうと思うのでしょうか? ただハイハイするだけでなく、少しでもハイハイが速くなろうと考えることがあるのでしょうか?
私はYouTubeで見た、ハイハイの速い子供のことを考えました。
ハイハイが速いのは、ハイハイが速くなりたいという気持ちを持っていたからです。速くなろうという意識を持ち、練習したから速くなるのです。
生きるための本能的な行動以外のこと(この場合は速いハイハイをすること)を、楽しむことができる赤ちゃんが、実際に存在していることになります。
でもそんな赤ちゃんは特殊で、ほとんどいないのでしょう。ごく一部の赤ちゃんだけだと思います。
わが子がそんな特殊な赤ちゃんであったら、とてもすごいことではないでしょうか?
そんな気持ちが湧いてきたので、私はわが子のぎこちないハイハイ動画を、期待を込めて繰り返し見ているのです。
「もしわが子が、特別な赤ちゃんだったら、すごいなあ」と思うのは、親バカですね。
しかし落ち着いて考えると、ハイハイが強烈に速くなることは、とても難易度が高いと思われました。
ハイハイ速くなりたいという気持ちを持つことができることがとても難しいうえに、速くなろうとしても、運動能力が追い付いていかなければ、速いハイハイはできないのでしょう。
生後8ヶ月にして、ハイハイが速くなりたいという気持ちを持ち、速い動きができる運動能力を持っていること。それらをクリアすることは、とつてもなく難しいことは間違いないでしょう。
特殊な子供に育つのか?
父親に少々変わった能力はありますが、スポーツで大きな実績を上げたこともない両親です。そこから生まれた子供が、特殊な子供であるはずはないと思う気持ちも一部にありました。
ズリバイが普通の赤ちゃんとは違う、特殊なバタフライ型でしたから、普通の赤ちゃんができることができない子供なのかもしれないとも思いました。
それでも私は、「この子はきっと、すごいハイハイをする子になる」と信じたいです。
自分の子供がとてもかわいくて、一番だと考えてしまう多くの親御さんと、私も同じですね。
すごく速いハイハイをする。そして運動神経が上がる。ゆくゆくはスポーツで大きな実績を残す。そんな期待ができるのも、もしかしたらこの時期だけなのかもしれません。